法令違反対応【ニュースで学ぶ外国人雇用8】風俗店で中国人の不法就労助長容疑で夫婦ら再逮捕 警視庁

【ニュースの要約】(2024年3月2日時事通信社)
●東京・池袋の個室マッサージ店で中国人の女らを違法に働かせたとして、入管難民法違反(不法就労助長)容疑で、同店経営者及び中国籍の夫ら4人を再逮捕。
●中国籍の夫は「在留資格の活動範囲を超えて働かせることが違法と知らなかった」と話し、容疑を否認。

【One Point Lesson】「不法就労助長
不法就労となるのは、次の3つのケース。
不法滞在者や被退去強制者が働くケース
(例)密入国した人や在留期限の切れた人が働く。退去強制されることが既に決まっている人が働く。
出入国在留管理庁から働く許可を受けていないのに働くケース
(例)観光等の短期滞在目的で入国した人が働く。留学生や難民認定申請中の人が許可を受けずに働く。
出入国在留管理庁から認められた範囲を超えて働くケース
(例)外国料理のコックや語学学校の先生として働くことを認められた人が工場で作業員として働く。留学生が許可された時間数を超えて働く。
外国人が風俗営業許可を取得している店で就労するためには、身分系の在留資格(日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、永住者、特別永住者、定住者)を取得していれば可能
資格外活動許可を得ている外国人は不可(例えば、運転手の仕事であっても、働いている営業所において風俗営業が営まれていれば不可。)。
*ただし、風営法の規制対象である深夜に営業する飲食店(お酒を提供する場合を含む。)での就業は資格外活動許可(包括許可)では禁止されていない
●不法就労助長罪は、①事業活動に関し、外国人を雇用するなどして不法就労活動をさせる行為、②外国人に不法就労活動をさせるために、自己の支配下に置く行為、③業として、外国人に不法就労活動をさせる行為、又は②の行為に関しあっ旋する行為を処罰の対象とし、これらに該当した者については3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれらを併科される。そして、両罰規定もあるため、代表者及び法人の双方が処罰される可能性あり。
不法就労助長罪は、たとえ会社側に故意がなかったとしても、在留資格の確認を怠るなどの不注意や入管法等の法の不知があった場合についても成立する(ただし、過失がない場合には不法就労助長罪は不成立。)。